「ここ一番で腹をくくれるか」・・・なかなか腹がくくれてない人にお勧めです。
西部の黄金時代を築いた森監督の著書。当時の西武は本当の隙もなく走攻守揃ったいいチームでした。あまりに強いから当時は近鉄とか阪急ばっかり応援してました。
そんな強いチームを率いた監督が、こと勝負に向かう上でどの様な覚悟で挑んでいたか、組織として人を使う上でどう考えていたかが分かる1冊です。
「腹をくくる」「覚悟を決める」とかよく使いますが、結構言葉だけで実際には色々小利口に立ち回っている人が多い気がします。特に昨今は色々な知識がネットなどから手に入るため、どうしても楽な方法を選んだりしているのではないでしょうか?
真剣勝負の世界でそんなこざかしい事ばかりしていたら土俵に立つことすらできないと戒めるようなことが色々書かれています。なかなか厳しいです。
ただ、腹をくくるにしても何も考えずに挑戦するのではない。
そこに至るまでに出来る限りの準備をしておく。その準備を積み重ねた上で覚悟を決めることが「腹をくくる」ことになるのです。
また、これまでの自分の積み重ねた結果が自分自身だという事を認識し、変に飾らず、自分らしさを貫く事の重要さも説いています。
この本が書かれたのが1999年ですからもう20年以上も前になりますが、勝負に向かう上での心構え、逆境に陥った時の在り方など今でも十分参考になります。
「無理せず、出来ることを精一杯」
結局人生はそこが重要だと思います。無理した所で長続きできない。精一杯やらなければ成長はない。成長し続けなければいつか行き詰る。
最後に好きな一節を
「しっかりと腹をくくれば、成功できるのか」と言われれば、わからない。成功も失敗も眼中にないくらい世の中を達観して見られるかどうかもわからない。
ただひとつ言えることは、周りがどんな目で見ようと、何を言おうと、己の信じるやりたいことを胸を張ってやり続けられるだろうということだ。
ここまで達観できるかわからないが、まだ人生続いているのだから挑戦し続けたいですね。
著書:ここ一番で腹をくくれるか
著者:森 祇晶
出版社:新講社